用心棒 2012 7 28

 たとえば、あなたが大富豪だったとします。
そうなると、ボディーガードを雇いたくなるでしょう。
 さて、雇ったボディーガードが、
自動式拳銃(オートマチック)を使っていたとします。
 そこで、あなたは、ボディーガードに対して、こう言うとします。
「オートマチックは、構造が複雑で、暴発事故がある。
だから、構造が単純で、信頼性が高い回転式拳銃に変えてほしい」
 しかし、ボディーガードは、こう答えるでしょう。
「回転式拳銃は、オートマチックと比べると、装弾数が少ない。
オートマチックならば、倍以上の装弾数となる。
さらに、回転式拳銃では、弾薬の再装填に時間がかかる。
これでは、あなたを守ることができない」
 さて、日本の個人金融資産は、1400兆円以上と言われています。
これは、外国から見れば、巨額の資産に見えるでしょう。
 最近、日本国内のニュースでは、
アメリカの海兵隊が使う「オスプレイ」という輸送機に、
話題が集中しています。
 オスプレイは、操縦が難しいと思います。
離陸する時はヘリコプターで、巡航する時は固定翼の飛行機です。
一見すると、便利な輸送機だと思うでしょうが、
これでは、パイロットは、ヘリコプターと固定翼の両方の操縦を熟知している必要があります。
 しかも、オスプレイをヘリコプターと見立てて考えると、
通常のヘリコプターと比べて、機能的には、欠けている部分が多い。
 それでも、オスプレイ配備によって、
海兵隊の抑止力は、格段に向上するでしょう。
つまり、海兵隊の展開速度と守備範囲が、格段に向上するということです。
 ところで、多くの日本人には、
「自分の国は自分で守る」という発想が欠けています。
日本の平和は、アメリカによって守られた「他人任せの平和」です。
 数年前、こんな話がありました。
極めて情けない話だが、
「海上自衛隊の艦艇がマラッカ海峡を通過する前に、
われわれ(米軍)がP-3を出して安全を確認している」という話を、
米海軍P-3部隊関係者から聞いたことがある。
 いくらなんでも、そのようなことはないだろうと思っていたところ、
海上自衛隊のP-3C部隊関係者から、「そのような事実もあった」という話を聞いた。
 自国の軍隊すら米海軍によって護ってもらっているのでは、
米海軍に「われわれが日本のシーレーンをオープンにしている」と豪語されても仕方ない。
(北村 淳  「米軍が見た自衛隊の実力」)
 日本人には、自分の国は自分で守るという発想が欠けているのです。
永世中立国のスイスとは、あまりにも国防意識が違いすぎる。

スイスの国防政策 2012 7 8
 日本の政治家の中には、
「スイスのように、永世中立国がよい」と言う人がいるでしょう。
 しかし、スイスから見れば、
「そんなに軽々しく永世中立国と言ってほしくない」と怒るでしょう。
 それは、スイスの歴史を見ればわかることです。
軍事の歴史では、よく言われることですが、
第二次世界大戦中、スイス軍は、
1907年のハーグ条約で定められた国際法上の「中立義務」を果たすために、
スイスの領空を侵犯する航空機があれば、
枢軸国側・連合国側を問わず、迎撃したのです。
 その後の歴史は、連合国側の勝利に終わりました。
勝利した連合国側から、スイスは非難されたかもしれません。
いくら中立を守ると言っても、連合国側の航空機まで攻撃する必要はなかったと。
 日本の政治家には、これほどの勇気と決断力があるでしょうか。
だから、スイスから見れば、軽々しく永世中立国という言葉を使ってほしくないでしょう。
 現在のスイスは、まるで国土そのものが要塞化しています。
山をくりぬいて、軍事基地を建設したり、
国境近くの橋やトンネルには、爆薬を差し込む穴が開いています。
これは、有事の際に、橋やトンネルを爆破して、国境を封鎖するためです。
 こうしたインフラ面の防衛だけでなく、
スイスは、徴兵制を採用しています。
 さらに、各家庭には、自動小銃が貸与されています。
これは、国境の封鎖に失敗した場合は、
国民全員が、銃を持って戦うということです。
 日本の政治家に、いや日本国民に、ここまでの覚悟があるのか。
アメリカによって守られた「他人任せの平和」で、
非武装中立や反戦平和を叫ぶのは、子供レベルです。
 スイスのような永世中立国を目指すならば、
少なくとも国民全員が銃の使い方を学ぶべきです。


























































































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